カラーフィルムの黒白現像

概略

フィルムの自家現像は、機材が揃えやすくコストが低い、おまけに作業が簡単、と比較的敷居が低いため、実践されている方も大勢いらっしゃると思います。その中心はランニングコストが低くてより趣味性の強い黒白フィルムの現像だと思いますが、ナニワカラーキット N などを利用してカラーネガフィルムの現像をされている方もやはり大勢いらっしゃることでしょう。私も普段、黒白フィルムとカラーネガフィルムを自分で現像しています (ガッツのある時はリバーサルの自家現像もやったりします)。

カラーネガと黒白ネガの現像は、実際両方されたことのある方はご存知の通り、カラーネガの方が工程が少なく作業は楽です。しかしながら、カラーネガの薬品は少々お高いため、そんなにホイホイ買えるものでもないんです。私の場合、一度カラーネガ薬品を使い切ってしまうと次に補充するまでは黒白フィルムを使い続けることになりがちです。そんな時に限って黒白フィルムが残り少なく、安く買ったカラーネガフィルムが大量に冷蔵庫に眠ってる、なーんてことになってたりしがちです。そこでふと思ったんですよ、カラーネガって黒白現像できないのかって。

そこで暗室百科を紐解いてみると、ありましたよありました。168 ページ「カラーフィルムを黒白現像したときの救済処理」の中ではこう書かれています。

カラーフィルムを黒白現像すると、イエローフィルター層、ハレーション防止層が除去されず、全体的にカブリ濃度の高い黒白ネガとなる。これをパンクロペーパーや黒白用のペーパーに焼き付けることで良好な黒白プリントが得られる。

つまり、カラーフィルムは黒白現像できるってことなんです。こうなればやるしかありません。

2003年 作成

現像方法

カラーフィルムを黒白現像するにあたってのデータシートは皆無なので、液温、現像時間等、同感度の黒白フィルムと全く同じように処理しました。結果的には、それであっけなくも問題なく現像できていましたので、もし試される方は気軽にやってみて大丈夫だと思います。ただし、フィルムと現像薬品の組み合わせによってはどうなるかわかりませんので、最初は現像に失敗しても後悔しない写真で試されることをオススメします。

ネガの比較

実際現像すると「ネガ」はどうなるの?というアナタのために、黒白現像したカラーネガフィルムと、普通にカラー現像したカラーネガフィルムを比較してみましょう(下図)。フィルムは何れも AGFA vista 100、それぞれスーパープロドール(上)とナニワカラーキットN(下)で現像したネガを GT-9700F で普通にスキャン (原稿種:原稿台) したものです。

焦点距離と画角

それぞれのネガを比べてみると、明らかに黒白現像したネガの方がメリハリの無い現像失敗ネガっぽく見えます。しかし、これはあくまでも普通の反射光スキャンによるもので、透過光スキャンだと問題なく写真を得ることができます。ポジを見るときのように蛍光灯に透かしてみると、しっかりと露光されているネガだということがわかるはずです。

スキャン画像

それでは、黒白現像したカラーネガはどうスキャンされるのかをチェックしておきましょう。ネガは前述の、スーパープロドールで黒白現像された AGFA vista 100。スキャナは同じく GT-9700F。スキャンの設定は、原稿種:透過原稿-カラーネガフィルム、イメージタイプ:カラー写真。つまり、カラーネガをスキャンする時と全く同じ方法でスキャンしました。

焦点距離と画角

どうですか、お客さん! 「カブリ濃度の高い黒白ネガ」ってことで若干眠い感じがしないでもないんですが、普通にモノクロ写真になってます。ここまであっさりと成功するとかえって張り合いがないかもしれないってくらい上手くいきました。この方法、なかなか使えるかもしれませんね。

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