加水分解で劣化したゴム部材の対処法

概略

一眼レフカメラのグリップには大抵ゴム部材が使われており、グリップ性能の向上に寄与しています。これは撮影する上では良いことなのですが、一部のゴム部材には経年劣化しやすいという決定的な問題があります。加水分解という化学的な変化によってゴム部材の表面が異常にべたつく困ったアレです。

先日、梅雨入りを控えてドライボックスのシリカゲルを交換した際に、この加水分解に遭遇してしまい愕然としました。まず、私が始めて買った一眼レフであるα-303si SUPERのグリップとシャッターボタン周りがベトベトしていることがわかりショック。ついで、フィルム時代のメイン機として愛用してきたα-7の裏蓋背面右手側がベトベトしていることがわかりさらにショック。どちらもとても大切なカメラなので、いざという時には使える状態にしておきたいのですよ。そこで、思い切ってこのべたつきを除去することにしました。

ここではその方法と実例を紹介しますので、困った方の参考になれば幸いです。ただし、くれぐれも自己責任でお願いします。

2011年6月8日 作成

必要なもの

カメラボディ用のクロス

普段使っているもので結構です。

無水エタノール

薬局で買えます。イメージセンサの清掃にも使え、用途が広いので是非一瓶買っておきましょう。

プラスチックみがきクロス、プラスチック用コンパウンド

プラスチックを磨く場合に便利です。プラスチック磨き用品もご覧ください。

ゴム部材のべたつき除去

第一段階

まずはクロスに水を付けて軽く絞り拭いてみましょう。これでゴム表面の劣化薄膜が剥がれてくれるようならしめたもの。ごしごしやっていくと綺麗になる可能性があります。実際、私のα-303si SUPERはこれでほとんど綺麗になりました。これでなかなかべたつきが取れない場合は、クロスに無水エタノールを湿らせて拭いてみましょう。少しこすればべたつきが取れるかもしれません。私のα-303si SUPERはこれでゴム表面の劣化薄膜がほぼ完璧に剥がれ、とても綺麗な状態に戻りました。

第二段階

α-7の裏蓋は一筋縄ではいきませんでした。これはエンジニアリングプラスチック(エンプラ)に薄くゴムをコーティングしている部材で、このゴムのべたつきのみを綺麗に除去することは難しかったのです。無水エタノールで拭くと若干べたつきは取れましたが、あくまでも若干です。根本的な解決を行うにはこのコーティングのゴムを全て取り去る必要がありました。

ゴムのコーティングを剥ぎ、地のエンプラを出すようにすると、綺麗に磨いておきたいものですよね。それが第二段階「みがき」の行程です。プラスチックみがきクロスでそのまま磨くなり水を付けてしっかり磨くなり、カメラボディ用のクロスにコンパウンドを付けて磨くなりしてみましょう。私も散々磨きまくり、ご覧のようにぴっかぴかになりました。黒光りするまで磨き上げれば、実はあまり滑らなかったりするのです。そして右側のみを綺麗に黒光りさせると、これが結構カッコイイ。「職人の手作業によるみがきで実現した、エンプラ無垢の美しさ」なんてコピーが浮かぶくらいです(笑)。これはこれでアリかもしれません。

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