融合HDRフォト

HDR フォトの作成プロセスを経て2つのシーンを合成した写真のことを、ここでは融合 HDR フォトと呼ぶことにします。HDR フォトそれ自体も確かに面白いのですが、その制作はツールに依存する部分が大きく、いきおい仕上がりも似たものになりがちでした。そこで私のクリエイター魂が動いたというか (いんちき) 写真家魂が疼いたというか、もう少し「写真」という要素のウエイトを大きくしたいという思いが湧いてきました。

もちろん、HDR フォトにも被写体の選び方など写真的要素は要求されるのですが、ダイナミックレンジを (異常なまでに) 拡大するという「飛び道具」を使っているため、どうしてもそこに引っ張られて、「写真」の中身よりも見た目で満足するという写真に―少なくとも私の場合は―なっていました。では、それだけでかなり強烈な雰囲気を発する HDR フォトにどうやって写真要素を付加するか・・・。私が HDR フォトの「次の一手」としてとったのは、別のシーンを合成するという方法でした。

2枚の写真の合成というのは古典的な手法の一つではありますが、HDR を作るプロセスにぶち込むことで何か新しい表現ができないかという淡い期待を持って試してみたところ、これがなかなかいい塩梅に仕上がったのです。それぞれのシーンが主張しあいながらも互いに溶け合っている、そんな感じでした。単なる「合成」という言葉を使わずに「融合」にしたのはそういう写真になったからです。2コマの融合で写真的な「意味」をしっかり付け加えられたのが、私には自己満足ポイントとなりました。

具体的な作り方は、まず融合させたい写真 A と B を決めます。そして、標準露出で現像した写真 A とアンダー露出で現像した写真 Bunder およびオーバー露出で現像した写真 Bover の3枚を使って Photomatix で HDR フォトを生成するだけ。もちろん他の方法もありますが、ここでは全てこの方法で作りました。私の知る限り HDR でこういうコトをやってるモノは他に見たことがないのですが、flickrあたりで探せば既にあるかもしれません。まぁ既にあったとしても、コノ中に私なりのテーマをしっかり込めて作れている (ノリだけで作ったものももちろんありますが) のが満足してるので、別に悔しくはありません(笑)。

(2006年5月12日)

フラワガァデン フラワガァデンII フラワガァデンIII フラワガァデンIV

HDR を楽しみながら写真の意味を重ねてきましたが、フラワガァデンを作った瞬間にやっとこれで一つ完成したかなと思いました。フラワ+ガァデン= flower + garden =「花」+「街」。無機質なマチエールを纏って広がる花弁と、押し花で空間ごと圧縮された街区。通常の視覚では経験できない不思議の国のアリス(谷村新司+堀内孝雄の方w)をご堪能あれ。

(2006年5月16日)

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