ダークレス
 

 

「ただ今、現像中につき電話に出ることができません。御用の方はピーという発信音の後に、お名前とメッセージをどうぞ。」
なんていう留守電メッセージ、カッコイイと思いません? 写真を趣味としている者にとって自家現像というのはある種のステータスみたいなもの、というか自分で現像できて始めて胸を張って趣味は写真ですって言えるような気がして、今まで全て写真屋さんで現像をしてもらっていた私にとっては自分で現像できる人に憧れがありました。できれば自分も現像もやってみたい、でも暗室はないしなんか難しそうだし恐そうだし・・・と思っている方私以外にも結構多いんじゃないかと思います。

そんなとき、LOMOrganizationのMOJO-HANDさんから、「富士フイルムの『ダークレス現像キット』を使えば簡単に現像できるよ」って話を伺いました。このキットは、それこそ名前に偽りなしで、暗室がなくてもちゃんとモノクロフィルムが現像できてしまうスグレモノなのでございます。教えてくださったMOJO-HANDさん、ありがとうございました。

そういうわけで、このページでは「黒白フィルム現像器キット ダークレス」の紹介をすると共に、現像のプロセスを簡単に説明したいと思います。ただ、このキットだけでは全て事が足りてくれないので、自家現像にあたってあれば便利なものも併せて紹介したいと思います。日本人なら何事も形から入る、が基本ということで(笑)。機材を揃えるだけでも結構楽しいですし、それぞれの用具はかなりリーズナブルなお値段というのが嬉しいです。

 
 
 
 



 
 

ダークレスを使った現像に必要なもの

1. 富士フイルム 黒白フィルム現像器キット ダークレス

まずこれがなければ始まりません。このキットを使えば、暗室なしで、フィルムをパトローネに入れたまま現像することができます。対応しているフィルムは35mm(24枚撮)のモノクロフィルムで、ネオパンSS、400PRESTOが推奨されています。中身についての詳細は後で説明しますが、現像器と3本分の現像液・定着液のセット、現像器と1本分の現像液・定着液のセットの2種類があります。また、6本分の現像液・定着液がセットになった現像薬品キットというのもあります。お値段は、現像器と3本分の現像液・定着液のセットが1,045円、現像薬品キットが1,145円です (以降、価格については断りがあるまで新宿ヨドバシ価格、2001年10月現在のもの)。

2. 液温計

現像液の温度を計るのに使います。液温計なら何でもいいと思いますが、ヨドバシとかの現像用品コーナーに行くと、気の利いた液温計が売っていますので、よさげなものをチョイスしてください。ちなみに上の写真に載せているのは、LPL ステンレス液温計IIで、600円です。

3. フィルムクリップ

定着終了後、フィルムを水洗する時や水洗後に吊り下げて乾燥させる時に使います。他のモノでも代用は利くと思いますが、安いものですし、やっぱり本職にはかなわないので持っておかれることをお勧めします。写真にあるLPL NEW TYPE フィルムクリップ (2ヶ1組)は320円です。

4. バット

現像用品コーナーでは「印画紙用プラスチックバット」というのが売られているのですが、ここでは単に定着させたフィルムを水洗する時に使うだけです。だからもちろん100円ショップなんかで売っているバットで充分です。でも、より雰囲気を感じたい人、形から入りたい人にはお勧め。液温計を立てる溝があったり、水洗する時に水を流しやすくする口がついていたりして便利なようにできてます。写真にあるのはLPL 印画紙用プラスチックバット 六切・クリームで、480円です。色々な大きさのバットが売っていますが、六切程度でちょうどいいと思います。

5. スポンジ

これは、水洗終了前に水中でフィルム面を洗ったり、水から取り出した後にフィルムに付いた水滴を取ったりするのに使います。なので、できるだけ写真用のセルローススポンジを使われることをお勧めします。写真で紹介しているのは東レのPHOTOGRAPHIC PURE CELLULOSE 6M SELLULOSE SPONGEで、320円です。

6. タイマー

現像ってのは時間との闘いでもありますので、ちゃんと時間が測れるものが欲しいわけです。その点、普通の時計よりはタイマーが断然便利。現像用品コーナーに行くといくつかタイマーが売られていますが、残念ながら概して高いんです。そこでお勧めしたいのが、キッチンタイマー。比較的安い上に、裏にマグネットが付いていたりして割と使いやすいです。で、これを2個買ってきて、1個は現像時間を、もう1個は定着時間をセットしておくとバッチリだと思います。なお、写真のキッチンタイマーは、Loftで各800円で購入したものです。

7. 編集・整理用手袋

現像・定着を終えてフィルムを干す時とか、一連の現像作業を終えていわゆる「ネガ」になったフィルムを触る時とかには、できるだけフィルムの表面には手を触れたくないものです。そんな時、手袋をしていれば指紋を付ける心配もなく、安心して作業することができます。これは、フィルムスキャナにフィルムをセットする時にも大活躍してくれます。写真で示した手袋はマイネッテ写真用品 編集・整理用手袋 2枚組お買得セットで、336円です (池袋ビック価格、2001年10月現在)。

8. ネガシート

現像が無事終了したフィルムは、6コマごとにハサミを入れてあげて、そしてきちんと収納してあげましょう。でも、自家現像の場合は誰もネガシートに入れて渡してくれませんので、ネガシート自体を用意しておく必要があります。写真で紹介したネガシートは、Chikumaのもので、35mm用7段・50枚入が405円です (池袋ビック価格、2001年10月現在)。

9. エンボスグローブ

9番と10番は、あれば便利だと思って後から買い足したものです。このエンボスグローブはビニール製の手袋で、現像液や定着液を扱うときにはめ、薬品が直接手にかかるのを防ぐものです。「ダークレス」を使って現像する時、特に現像を終えてパトローネを現像器から取り出し現像液をきるときには素早い操作が必要になるため、素手でやると薬品が手についてしまいます。そんなとき、これをはめておけば安心です。表面にはちゃんと滑り止めのエンボス加工が施されています。Mサイズ50枚入で560円です (新宿ヨドバシ価格、2001年10月現在)。

10. フィルムワイパー

フィルムを水洗した後は水滴を拭き取って干すわけですが、このときに便利なのがフィルムワイパーです。スポンジで拭き取るよりも簡単・確実にフィルムについた水滴を拭き取ることができ、おすすめです。同じく新宿ヨドバシで770円で購入しました。

 
 

 
 

現像器キット ダークレスの中身

 
 

現像器キット ダークレスを使った現像のプロセス

詳しくはキットに付属の説明書を読んで頂くとして、ここではキットをお持ちでない方にキットを使った現像の手順を紹介するために説明したいと思います。ちゃんと手順を覚え、間違えずにやりさえすれば、失敗せずに現像できると思います。現像自体は簡単です。

  1. 現像をする場所を決める。
  2. タイマーを2分30秒と4分にそれぞれセットしておく。
  3. ティッシュペーパーを厚めに敷き、現像液を切る場所を確保しておく。
  4. バットに水をため、水洗のスタンバイをしておく。
  5. パトローネに現像器のフタを取り付ける。
  6. アンプルカッターで現像液のアンプルを折り、現像液を現像器のタンクに入れる。
  7. 現像液の温度を計り、20〜25度に調節する。
  8. 定着液のアンプルを折り、定着液をフィルムのプラスチックケースに入れてスタンバイしておく。
  9. パトローネを現像器のタンクにゆっくりセットして5秒間待つ。
  10. 2分30秒にセットしたタイマーのスタートスイッチを入れる。
  11. 3秒間に10回の速さ(つまり、できるだけ速く)で10回順回しした後逆回しする、という操作をタイマーが鳴るまで(2分30秒間)繰り返す。
  12. タンクからパトローネを取り出し、厚めに敷いたティッシュの上でトントンして現像液を切る。
  13. タンクの現像液を捨て、スタンバイしていた定着液をタンクに移す。
  14. パトローネを現像器のタンクにゆっくりセットして5秒間待つ。
  15. 今度は4分にセットしたタイマーのスタートスイッチを入れる。
  16. 現像と同じようにして、タイマーが鳴るまでフィルムを回し続ける。
  17. 定着が終わったらパトローネを取り出し、パトローネオープナーでパトローネをこじ開ける。
  18. フィルムを軸の根元でカットし、フィルムクリップを取り付けた後、水を張ったバットに投入する。
  19. フィルムにキズがつかないように丸まりを取り、水を流しながら約30分間放置する。
  20. 30分経ったら、水中で、スポンジでフィルム面を挟んでふき、洗う。
  21. フィルムをバットから取り出し、水を絞ったスポンジで水滴を取る。
  22. ほこりのないところにフィルムをつるして自然乾燥させる。
 
 
 
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