グリップストラップを常用する私が、ずーっと追い求めていた理想的な取付プレートがようやく完成しました。ここでは、その詳しい説明と材料と作り方をどどーんと披露しておこうと思います。ただし、以下の情報を参考にされる場合はあくまでも自己責任でお願いします。何が起こっても責任は一切取りません。
まず、私がグリップストラップ取付プレートに求める条件をまとめておきましょう。
さらに次の条件を満たせばぐっと作りやすくなったり、もっと便利になったりします。
これらを総合すると、欲しいものはグリップストラップ取付パーツ兼カメラスタンド兼クイックシュープレートということになります。つまり、これらの条件にあったクイックシュープレートを見つけ、そしてストラップを取り付けられるように加工できればいいわけです。次で具体的な作り方を説明していきましょう。

材料となるパーツは、イタリアの有名三脚メーカーであるマンフロットのクイックシュー マンフロット 394と、GR DIGITAL の紹介記事でも紹介したストラップメーカー「アクセサリーマルタカ」製のストラップパーツ S-ジョイントパーツ Lサイズ (超強力金具使用で耐久重量5kgの方) と、ストラップを取り付けるための三角リングです。α900 はもともとカメラボディの両肩に三角リングが付いていますが、グリップストラップを使う場合は向かって右肩の三角リングは不要なので、私はそれを有効利用しました。


まず準備として、マルタカの S-ジョイントパーツ Lサイズ に三角リングを取り付けておきます。ジョイントパーツ根本の「オーリング通し穴」に三角リングが直結できれば言うこと無しなのですが、この「オーリング通し穴」は若干小さいので一般的な三角リングは通せません。仕方ないのでオーリング (オリジナルのオーリングは若干大きいので私はもっと小さなものに交換しました) に三角リングを取り付けました。
次に、マンフロットのクイックシュープレートに穴を開けます。穴と言っても、プレートに最初から空いている穴を利用するので、クッション用のゴム板をカッターで少しカットするだけです。そのために、一度プレートを取説通りにカメラボディに仮止めしてみて、その穴を貫通させるか印を付けておきます。そしてプレートを外し、プレートの表面(カメラ底部側)に張り付いているクッション用ゴム板を剥がし、カッターで角を少しカットします。カットできたら再度プレートに貼り付けます。
ゴム板がカットできて穴が貫通したら、そこにマルタカの S-ジョイントパーツ Lサイズ を取り付けます。ヒモが若干長いので、一般的な「ひばり結び」ではなく「プルージック結び」にした方が、長さもちょうど良く、強度も上がって一石二鳥です。三角パーツを取り付けた後でストラップを取り付けるのがやりにくい場合は、取り付ける順序を変えるとか、ジョイントパーツをばらすとか工夫してください。
最後は、ジョイントパーツを取り付けたプレートをカメラに取り付け、ストラップを取り付けて長さを調整すれば完了です。その際、プレートをレンズの方に少しせり出した状態で取り付けると、カメラが自立しやすくなります。


ここまで説明したようにストラップをクイックシュープレートに取り付けると、巻き付けたヒモの分だけ局所的に厚みが増しますが、そのままクイックシュー本体に装着することができます。マンフロットの 394 は知る人ぞ知るクイックシューの名品ということもあり、クイックシュー単品での使い勝手や安定性はバッチリです。そして、KTS 特注自由雲台 PRO-40との相性も、ミニ三脚 ULTRA LUXi miniとの相性も良く、雲台にクイックシュー本体を取り付けたまま三脚ケースに収納できます。どうです、良い感じでしょ。
自立はしなくてもいいから、とにかくカチッとしてコンパクトなストラップ取付プレートが欲しいとか、ガッチリと三脚に取り付けるために便利なカメラプレートが欲しい人は、こちらのショップも覗いてみてください。私はどちらもかなり惹かれて、ポチる直前までいったのですが、結局 マンフロット 394 に落ち着きました。
Camdapter Standard Neoprene
Really Right Stuff(RRS) L-Plate for Sony A900 camera
ボディ底部を下にして置いたとき、レンズを取り付けたカメラが自立することにここまでこだわる人はあまりいないかもしれませんが、やっぱり便利なんですよね。特に、テーブルに立たせた状態でレンズ交換ができるのはいいですよ。今回、理想的なカメラプレートを探すために、アメリカのネットショップを散々探しましたが、結局カメラの自立を考えたようなものはありませんでした。恐らく、アメリカ人は躊躇せずカメラ背面を下にしてテーブルに置いてしまうんじゃないかと思いますが、どうでしょうね。
2009年5月19日 作成


カスタマイズは簡単に終わらないし、終われない・・・。これで完璧!と思って仕上げても、あとで不満が出てきたらそれは完璧ではなかったということなのです。その不満が、たとえどんなに些細なところであっても。それがカスタマイズの醍醐味であり、ハマるところなのです。この「グリップストラップ取付プレート」では「究極」を名乗っています。究極を名乗るからには、とことん納得しないといけません。
前回の作業で製作したプレートは、設定した条件を全てクリアし、かなり満足度の高い出来映えでした。ところが、実際に使ってみると肝心のグリップストラップのハメ心地がイマイチだったのです。その理由は、底部のストラップ取り付け位置でした。プレートのレンズ側の穴にストラップを取り付けたために、グリップストラップが手首に対して平行に入り、手の甲に浅くかかるようになっていたのです。それでも、Planar 85mm などの重いレンズでは、グリップストラップにテンションがかかるために外れることは無かったのですが、AF 50mm F1.4 などの軽いレンズでは、グリップストラップが手の甲から指の方にズレてきて、外れやすくなっていました。そのたびに手の甲の側に引っ張るのも面倒だし第一不安定なので、対策を講じました。
今回の作業内容は、ストラップの取り付け位置をプレートのレンズ側の穴からボディ背面側の穴変更することです。前回と同じ方法でプレートのクッション用ゴム板に穴をあけて取り付ければ簡単なのですが、純正部品のクッション用ゴム板はそれほど厚みがないため、ボディ背面側の穴でそれをすると、プレートに巻き付けたジョイントパーツのヒモが干渉し、ボディとプレートがわずかに密着しない気がするのです。ギュッと締め付ければ問題はないと思いますが、なんとなくスッキリしません。そこで、今回はクッション用ゴム板を自前で用意することにしました。
今回の材料は、ホームセンターで売っているゴム板です。3mm×10cm×10cm のもの (近所のコーナンで156円) がちょうど良かったです (右側の小さいオーリングは、ジョイントパーツと三角リングを連結するのに使いました)。ゴム板の厚さが 3mm あるとプレートが少し嵩上げされるため、プレートのエッジにジョイントパーツのヒモを付けても余裕があり、プレートとボディが密着します。このゴム板に、純正のクッション用ゴム板を合わせて型を取り、それをカッターでカットします。今回は必要最小限の穴だけをあけました。カットできたら、両面テープでプレートに取り付け、ボディ背面側の穴に「プルージック結び」でジョイントパーツを取り付けておしまい。今回はストラップの付け心地もバッチリでした。
2009年5月23日 作成



上の加工を済ませた後1年半以上は満足して使っていました。さすが「究極」だと思っていました。Planar までなら自立しますし、マンフロット 394 のプレート (アクセサリープレート 410PL) は金属製でガッチリしているので、レンズ交換時にひょいっとコンクリートの上に置いたりすることもできます。Sonnar を付ける時は、先に α900 をManfrotto DIGI三脚 709Bに取り付けておけば問題なし。プレートが前にせり出したカタチで取り付けているので、安定したところに置かずカメラを持ったままレンズ交換をするときなど、左手でプレートのでっぱりに指をひっかけて確実に保持するということもできました。
ところが、もうこれ以上改善の余地は全く無いかと言われると、そうでもなかったのです。カメラを構えるときに左手の母指球(ぼしきゅう、親指の付け根の膨らんだ部分)がプレートに当たってしっかり押さえられる反面、プレートの角が母指球に食い込むと若干不快だったのです。でも、それをなんとかしようと思うほどではありませんでした。
それで1年半以上使っていたのですが、マンフロットのPocket 三脚 MP3-D が発表されると、これをグリップストラップ取付プレートに使えないかなと思い始め、発売までに今あるもので改善できないかと考え始め、試行錯誤し始めてしまいました。以前も 410PL の向きを直角に変えて試したことがあったのですが、底面の形状が特殊なため (クイックシュープレートなので) Planar を付けたときでさえうまく自立しなかったのです。それで諦めていたのですが、その敗因はクイックシューへの接続に固執していたことにありました。そんなに三脚を使うわけではないのだから、クイックシューごとくっつけてみたらいいじゃないか、と思って付けたらビンゴ。Sonnar を付けても自立するようになりました。
そうすると、今度はストラップの取り付け位置が問題になってきました。グリップストラップをしっかり手にひっかけるには、下部の取り付け位置ができるだけカメラの手前側に来た方がいいのです。そしてそのためには、一番最初に通していた穴の方がベターなのです。結局、「追記」で加工したホームセンターのゴム板を取り付けたプレートは取り外し、オリジナルゴム板を加工したプレートを付け直し、下の写真のように仕立て上げました。
これで自立は現状で完璧、三脚に接続する際はクイックシューだけを外して、クイックシュープレートを三脚に取り付けてあるクイックシューに付ければ OK。そしてこのように取り付けたクイックシュー+プレートは、左手親指側が丸みを帯びていて親指の付け根にソフトに当たり、かつ、しっかりとひっかかる素晴らしい形状。左手人差し指側もトリガーのような突起が人差し指を引っかけるのにちょうどいいのです。このトリガーは、強く引くとシューがプレートから外れてしまいますが、普通に構えるときは引くよりもひっかけて手前を握るだけなので、外れる心配はなさそうです。おまけに水準器が付いていますので、超ローアングルでノーファインダーで撮るときなどは、水平を計る目安に使えそうです。素晴らしい。若干重くなる欠点はありますが、ここまで出来れば文句はありません。MP3-D も必要なさそうです。
2011年2月10日 作成






