[2] 作家の個性

2009年4月30日

写真において作家が自分の個性をアピールすることは、思った以上に難しいことだと感じています。それは、絵画などに比べて写真(特にデジタル写真)の技術面の差が遙かに小さいことが一因でしょう。写真はかなりの部分を道具に依存していて、その道具はメーカーに依存しています。極論すれば、同じ道具を使って同じ被写体を同じ条件で撮れば同じモノが写るのが写真なので、技術面のみで個性をアピールするのが難しいのは当然と言えます。

写真は視覚芸術の一つですから、当然写したものでしか勝負できません。ただし、写真の過程に注目し写真の「行間」を読もうとすると、作家の「写したモノ」だけではなく作家が「写すためにしたコト」に、鑑賞者が焦点を合わせることができます。そして、写真について深く考えていけばいくほど、写真的行為を深めていけばいくほど、「写っていないコト」に重きを置くのは、ある意味自然な流れなのかもしれません。自分がどうしてもやりたい「行為」があって、その「行為の結果」をどうしても残しておきたいと思ったとき、それが自分の写真になるのだ、と思います。結局、「どうすれば注目されるか」「どうすれば評価されるか」「どうすれば売れるか」という雑念からいかに離れて「行為」に純粋になれるか、がいい「写真的写真」を撮るための決め手で、その「行為に対する熱量」が作家の個性に繋がるのではないでしょうか。

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